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『頑固・屁理屈・柔軟性がない』とADHD傾向の人が職場で言われたときの理由と対策

『頑固で柔軟性がない』『屁理屈』『納得しないと動けない』などと言われたことがありますか?

私はあります。

当時はまだ就職して間もない時期で、指示されたことを何でもやろうと意識していたので、指摘してきた人がなぜそう感じたのかすごく不思議でした。でも理由を聞いたらもっと怒られました。

色々思い返す機会があったので、何がそう感じさせていたのか、どうすべきだったかをまとめておきます。

当時の状況

当時は、一番最初の上司の下で働いていた、まだ新人扱いの時期でした。

私は面接のときに言われた配属先ではなかったので、何がわからないのかわからない状況でした。

職場だとExcelとWordが主ですが、その使い方がまずわかりませんでした。出張などの管理システムも独特で見たことのないものでした。

自分が社会性が低く一般常識がないことはわかっていたので、仕事術の本などを読み漁って追いつこうと必死でした。

本やネット上の知識から『5W1Hを明確にする』のは当たり前だと思っていました。いや、これは今もそう思っています。

「この図を作ってくれ」に「はい、わかりました」と答えたあと、何のプロジェクトのどこに出す資料に使う図なのか、締め切りなどを質問していました。とにかく理解した上で進めたかったんです。

負担の大きい聞き方をしていた

どんな聞き方をしていたか、もっと単純な話にして、コピーを依頼された場合で説明します。

  1. 原本はどれか
  2. 予備も含めて何部必要か
  3. いつまでに欲しいのか
  4. 両面か片面か
  5. ホッチキス留めはどこにするか

このくらい説明があれば新人でも動けるはずですね。

当時の私が動くのに必要だった情報はもっと多かったです。こんな感じ。

何月何日の何の会議に使う資料だから何日の何時までにコピーして欲しい。誰が来るから何部必要で、紙の節約のために両面で、開きやすいように左上に斜めにホッチキス留めしてね。

めんどくさっ。

上司と上司の秘書さんは、私が仕事をやりたくないから断る理由をつけるために聞いてくる、非常に反抗的な態度の生意気な新人だと思っていたそうです。

↑これを直接聞ける仲になれたのは奇跡です。

「普通の人」は「そういうものだ」で動ける

私が動くために必要な情報が、普通の人たちとは違ったというオチです。

この情報の中で、私にとって特に重要なのは太字部分です。

何月何日の何の会議に使う資料だから何日の何時までにコピーして欲しい。誰が来るから何部必要で、紙の節約のために両面で、開きやすいように左上に斜めにホッチキス留めしてね。

そう、目的と理由の方が重要なんです。むしろ何部とか両面とかの細かい指示がマイクロマネジメントに思えます。

普通の、いわゆる定型発達の人たちは理由がなくても何となく動けるんですよね。それが空気が読めるとか、自分で考えて動けるということです。実は考えていないのに。

理由や目的を聞くのは、普通の人たちにとって「反抗的な態度」に見えます。

ADHD傾向が強いと、衝動性を抑えたりやる気を出すためには、全ての行動にひとつひとつ筋の通った理由が必要です。

また、興味のあることしかできないので、目的がわからない指示には興味が持てず、苦痛です。

目的がわからない指示をもらうと、優先順位がつけられないことと興味が持てなくて先延ばししてしまうことの相乗効果がおきて、普通の人から見てメチャクチャな動きをします。しかもつらい。

でも、理由の説明を普通の人たちに求めると露骨に嫌がられるのです。普段言葉にしていない部分を言葉で説明するのは負担が大きいことで、必要性も理解できないため、嫌がらせをして反抗しているように見えるからです。

どうすべきだったか

完全に普通に振る舞うための「正解」は、ADHDの私には判断がつかないので、今どうしているかです。

「確認する」のが「ゼロから聞く」より正解に近いです。

書くと当たり前になってしまうのですが、できる限り情報をつなぎ合わせて、自分が今何に巻き込まれているのか知っておくということです。

雑談の中で細切れに聞いていることも多くて、でもそこから目的や締め切り、それぞれのプロジェクトのつながりなどを察することができていませんでした。

説明済みなのに何でまた説明させられるのかと上司が感じた場合も多かったでしょう。

「何のためですか?」ではなく「あのプロジェクトのこの会議の資料ですね?」と、はいかいいえで答えられる形で確認することで相手の負担を小さくできます。

私が具体的にどうしているか

私の職場では、部のマスタープラン、課の年間計画、ほとんどのプロジェクトの仕様書は平社員でも見ることができます。

一年ほど経って、私がプロジェクトを立てられる立場になってからこの説明を受けてガックリしました。

※ おそらく「新人だからまずは目の前の仕事を覚えさせよう」と上司は考えていたのでしょう。逐次での目的のない指示は、私の負担を減らすための心遣いだったのです。私はつらかったけれど。

これを知ってから、自分が関わる全ての計画を並べて、自分の仕事のひとつひとつがそれぞれの計画のどこに位置するのか書き出すようになりました。

毎日更新することで、自分に関わる周囲の人が動いている目的や、今日誰が何の締め切りに追われているのかを把握できるようになりました。

最初のころはコピー用紙をつなげて巻物を作っていたのですが、変な目で見られるので、TaMa5というWindowsソフトを使うようになりました。もちろんExcelでも良いし、今ならBrabio!などのガントチャートのwebアプリを使うのも良いと思います。

全ての職場に適用できる方法とは全然思いませんが、可視化することで見えるものはあります。

面倒だけれど、周りとやっていくには負担は自分が負うしかありません。

まとめ

文章を読んでおわかりのように、私は何をするにも筋の通った説明が必要で『頑固で柔軟性がない』『屁理屈』『納得しないと動けない』と言われても認めるしかないめんどうな人です。

どんなに望んでも空気に操ってもらえないので、「普通に働く」には普通の人には必要がない手段で埋め合わせる必要があります。

ここで書いた今の方法はまだ力技で、手間と時間ががかかります。時間がかかる分、仕事が人より遅くなるというデメリットがあります。

気づいて分析することができれば、埋め合わせられる一例でした。もっと良い方法はありそうですね。

それでは!