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ADHDが改善した瞬間の話 【メタ認知/合理的なADHDの目覚め】

こんにちは! くずなつ (@kuzunatsu) です。

最近思い出した子どものころの記憶に、今考えてみるとADHDの特性が改善した瞬間があることに気がつきました。

当事者の感覚なのでわかりづらいと思うのですが、なんとかワーキングマザーを続けられている私の原点だと思います。

メタ認知ができるようになった瞬間の記憶

私は、自分が言葉で考えていると気がついた瞬間の記憶があります。

自分の頭の中を客観的に観察できたという意味で、メタ認知ができた一番古い記憶です。

小学5年生のもうすぐ秋というくらいの時期の晴れた日、学校から家への帰り道でのことです。本を読みながら歩いていました。

そのとき「本みたいに、考えたことは言葉でしか伝えられないのかな?」と考えた瞬間に、「あれ、私は今、言葉で考えている」と気がついたんです。

それに気がついた瞬間に「私は言葉以外で考えられなくなってしまった」ことにも気がつきました。

それまで当たり前にできていたことができなくなったので、ものすごくガッカリしました。

それまでどのように考えていたのか

それまでの考え方は、半透明の動画が何重にも重なっている感じでした。

ADHDの特性の説明に、パソコンのウインドウがたくさん開いていて、どのウインドウを一番前にするか選べないというものがありますがまさにコレです。

当たり前にやっていたコレが「私は言葉で考えている」と気づいた瞬間にできなくなったんです。

考えられる絶対量が減ったという感覚で、私はバカになってしまったとすごくガッカリしました。

言葉にして考えるとは

このあとが大変でした。

それまで感覚だけでできていたことを、言葉で考え直さないとできなくなりました。

「どうやって歩いているの?」とムカデが質問されてから、足の動かし方に悩んで歩けなくなったお話がありますよね。まさにアレです。

「歩きたい」と思うだけでは歩けなくなりました。具体的な目的が設定できて、やっとどう動くかが決まります。

目的地と到着したい時間からルートと出発時間を決めて、どちらの方向に、どのくらいの速度で、どちらの足を次に出すのか、どう体重を移動するのか考えないといけない、面倒な状況になりました。

言葉にして考えるということは、論理性と合理性に支配されるということです。

「言葉でうまく言えないけれど、こう思う」という感覚では目的を設定できなくて、行動を決められなくなりました。

今も言葉で考えられなくなる瞬間はある

ここまでの話は「半透明の動画が何重にも重なっている」状態で、意識的には考えることができなくなったという話です。

なのでアラフォーの今も、調子が悪かったりすごく緊張したりすると、頭の中が半透明の動画が重なった状態になります。

娘にケガをさせてしまったときは、今考えるとまさにそうでした。

こういうときは書いて言葉にすることで頭の中を整理するのですが、書けないときにどうするかが今の私の課題です。

まとめ

小学生のころの私を知っている人から見て、中学生以降の私は別人のように落ち着いたそうです。

でも椅子を投げなくなったとかそういうレベルの話です。※ 念のため、人に当てたことはないです。

自分の経験からだけですが、ADHD傾向の人が落ち着くためにはとにかく言葉で考えることだと思っています。

言葉にすることではじめて、自分が何を考えているのかわかるようになって、どうしたいのかを具体的な行動に落とし込めるようになります。

私の場合仕方なくはじめたことでしたが、問題の解決能力は上がったので長い目で見れば良かったのかな。

余談ですが、私は小学5年生以前の記憶がほとんどありません。 記憶するにも言葉で考える必要があるような気がしています。

それでは!